プラセボ反応(placebo response)は、狭義には不活性物質により様々な症状が軽減する生理現象をいう。この現象は古代より経験的に医療に利用されてきたが、長らく自然科学研究の俎上には乗らなかった。「期待」、「文脈」もしくは「条件づけ」が重要な役割を果たしていることが主に心理学的研究により示唆されているものの、その脳内分子機構は明らかではない。この解明には、実験動物を対象とした研究が重要となるが、世界的にも少ない状況にある。そこで本研究は、マウスに対し、行動学、薬理学、電気生理学などの各種神経科学的方法論を適応することで、プラセボ反応の脳内シナプス•分子機構を明らかにすることを目的としている。
3)外部資金導入実績:(独)日本学術振興会・科学研究費補助金(C)。
4)代表論文:日本心理学会2017 シンポジウム
【課題1】プラセボ反応(placebo response)の脳内分子基盤の解明
(岸本泰司)
(岸本泰司)
【課題2】運動学習のシナプス・分子生理基盤の解明
(岸本泰司)
(岸本泰司)
1)目的: 運動学習として知られる瞬目反射条件付けについて、(1) この学習に関与する生理機能分子を明らかにすること、 (2) この学習の神経メカニズムを明らかにすること、の2点を目的としている。
2)成果: これまでに様々な遺伝子(GluRδ2, GluRε1, cannabinoid receptor CB1, PLCβ4, mGluR1など)が、瞬目反射条件付けの学習過程に重要であることを明らかにしている。また近年では、細胞特異的かつ可逆的遺伝子操作技術を用いることにより、運動学習の記銘、保持、発現が、それぞれ小脳の特定の神経回路によって担われていることを明らかにしつつある。
3)外部資金導入実績:(独)日本学術振興会・科学研究費補助金(S)(A)(C)。武田科学振興財団薬学系研究奨励。
4)代表論文:Sci Rep (2019), PLoS ONE (2015), J Neurosci (2014), J Neurosci (2011), PNAS (2007), EMBO J (2007), J Neurosci (2006), J Neurosci (2006)
各種モデル動物の瞬目反射条件づけについて解析を承ります(共同研究として)。
2)成果: これまでに様々な遺伝子(GluRδ2, GluRε1, cannabinoid receptor CB1, PLCβ4, mGluR1など)が、瞬目反射条件付けの学習過程に重要であることを明らかにしている。また近年では、細胞特異的かつ可逆的遺伝子操作技術を用いることにより、運動学習の記銘、保持、発現が、それぞれ小脳の特定の神経回路によって担われていることを明らかにしつつある。
3)外部資金導入実績:(独)日本学術振興会・科学研究費補助金(S)(A)(C)。武田科学振興財団薬学系研究奨励。
4)代表論文:Sci Rep (2019), PLoS ONE (2015), J Neurosci (2014), J Neurosci (2011), PNAS (2007), EMBO J (2007), J Neurosci (2006), J Neurosci (2006)
各種モデル動物の瞬目反射条件づけについて解析を承ります(共同研究として)。
【課題3】生理機能解析による神経変性疾患モデルマウスの認知機能解明
(岸本泰司)
(岸本泰司)
1)目的:アルツハイマー病(Alzheimer disease; AD)や統合失調症、自閉症スペクトラム等の疾患モデルマウスに対して、様々な行動認知テストを適応し、より早期に認知障害を検出できる行動方法論を探索するとともに、さまざまな症状を改善する薬物や処置を開発することを目的とする。また、各病態の生理分子基盤を明らかにする。
2)成果(例):ADモデルマウス(Tg2576マウスおよびAPP/ presenilin 2ダブルトランスジェニックマウス)では、モリス式水迷路試験に比べ、水探索試験や瞬目反射条件付けトレース課題が、より早期に認知機能障害を検出できることを明らかにした。なお、メマンチン等のAD治療薬やある種の新規化合物が、こうした学習課題におけるADモデルマウスの認知障害を有意に改善することも明らかにしている。また、正常型プリオンタンパク質欠損マウスでは、加齢依存的に、小脳依存性の認知機能テストで学習タイミングの障害が起こることを明らかにした。さらに近年には興奮/抑制バランスが、自閉症や統合失調症のある種の症状に関連することを明らかにしている。
3)外部資金導入実績:(独)日本学術振興会・科学研究費補助金(C)。武田科学振興財団薬学系研究奨励。
4)代表論文:Cell Reports (2017), Neuron (2016), Front Behav Neurosci (2015), PLoS ONE (2013), J Neurosci (2011)
共同研究を募集しています。
2)成果(例):ADモデルマウス(Tg2576マウスおよびAPP/ presenilin 2ダブルトランスジェニックマウス)では、モリス式水迷路試験に比べ、水探索試験や瞬目反射条件付けトレース課題が、より早期に認知機能障害を検出できることを明らかにした。なお、メマンチン等のAD治療薬やある種の新規化合物が、こうした学習課題におけるADモデルマウスの認知障害を有意に改善することも明らかにしている。また、正常型プリオンタンパク質欠損マウスでは、加齢依存的に、小脳依存性の認知機能テストで学習タイミングの障害が起こることを明らかにした。さらに近年には興奮/抑制バランスが、自閉症や統合失調症のある種の症状に関連することを明らかにしている。
3)外部資金導入実績:(独)日本学術振興会・科学研究費補助金(C)。武田科学振興財団薬学系研究奨励。
4)代表論文:Cell Reports (2017), Neuron (2016), Front Behav Neurosci (2015), PLoS ONE (2013), J Neurosci (2011)
共同研究を募集しています。
【課題4】6年制薬学教育への移行による、薬学部研究および薬剤師教育の質的量的評価
(岸本泰司)
(岸本泰司)
薬学部6年制教育がスタートして10年が経過し、この間、薬学部自体の増加、18歳人口の減少などの内的外的変化も併せ、学部を取り巻く教育•研究上の環境は大きく変化したといってよい。この評価を現時点で定量的に評価しておくことは、今後の薬学教育の指針ともなりうる。本研究室では、過去20年間における薬学部教員の研究生産性などについて、多変量解析などの手法を用いて解析評価を行なっている。
代表論文:第58回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会 (2019)
代表論文:第58回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会 (2019)