研究内容
私達の研究室では、薬用植物、生薬、天然有機化合物に関する研究を行っています。
生薬・薬用植物から抗リーシュマニア活性化合物の探索
リーシュマニア症は熱帯性の感染症で、未だに特効薬のない病気です。世界中の人々(少なくとも1200万人)がこの病気を患い、治療薬を待ち望んでいます。本研究テーマは、主に熱帯産生薬・薬用植物を対象に、培養原虫を用いたスクリーニングを行い、抗リーシュマニア活性をもつ化合物を取り出し、本学の特色である大型精密機器(NMR、X線、MS)を駆使して構造を決定し、治療薬の開発に貢献することを目指しています。
幻覚性及び麻薬性植物の成分に関する化学的研究
いわゆる「違法ドラッグ」として分類されるものには、植物に由来する多くのものがあります。これらは麻薬や覚醒剤の代用として蔓延しているものであり、その乱用防止対策を取ることが必要となっています。それらに含有される幻覚性・麻薬性成分の構造に関する研究、検出法に関する開発研究を行い、健全な社会に薬学研究者として貢献することを目的としています。
生薬・漢方薬の活性成分の解明
アルツハイマー、認知症の治療に漢方薬が効果を発揮しています。更に広い範囲の生薬、漢方薬を探索し、活性に関与する成分の解明を試みます。
有用食品の機能性成分に関する研究
天然物を素材とした有用な食品から生理活性を示す化合物を単離・同定し、誘導体を合成するなどして、その機能性を解明することを目指します。
生薬の品質評価に関する研究
日本薬局方収載及び収載候補生薬の試験法に関する研究も行っています。