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1.戦略的大学連携支援事業実施体制

 3大学の教員および事務系職員からなる「戦略的大学連携支援事業推進委員会」を組織する。事務局は徳島文理大学香川薬学部に置く。また他の2大学にはサテライト事務局を設置する。「戦略的大学連携支援事業推進委員会」は定期的に推進委員会を開催し、各年度の実施計画の立案、実施状況の確認、各年度の成果の取りまとめなどを行う。また県内・県外への積極的な広報活動も行う。推進委員会は別途組織する評価委員会に実施状況を報告し、評価と指導を受ける。推進委員会はこれを基にして改善計画を立て、委員を通じて各大学にフィードバックし、速やかな改善への対応を行う。

2.協力体制

 徳島文理大学の香川薬学部と工学部が薬剤師ならびに臨床工学技士養成を、香川大学医学部が医師と看護師養成を、香川県立保健医療大学保健医療学部が看護師と臨床検査技師を養成している。これらの学部が中心になり、3大学が連携・機能補完して、他の医療職の役割を正しく理解した総合的医療人養成を共同して実施する。香川県医師会は「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」の運営組織であり、本事業の重要課題の一つである「医療提供施設連携に基づく総合的医療人による医療情報の共有化」への取組において中心的役割を担う。香川県医師会と香川県薬剤師会、香川県病院薬剤師会、香川県看護協会、香川県臨床検査技師会および香川県臨床工学技士会は、社会人教育(特に合同研修会・勉強会)を3大学と実施し、またその際に高松市内中心部の会場の提供等をする。

連携取組

1.学部(学士課程)共同授業(総合医療をマスターするための登竜門)

(1)「チーム医療」などの早期体験学習:例えば学部初年度の早期体験学習として、チーム医療などについて3大学で連携して学ぶ。この学習によって、総合医療人としての心構えを涵養する。
(2)「チーム医療」の包括的授業や、「臨床薬剤学」、「看護学方法論」などの専門授業:高学年の学生に対しては、連携学部の専門授業を聴けるようにする。「チーム医療」、「保健・衛生」など全大学が関連する包括的な内容については、各大学教員で構成された授業を設けることで、当該課題について正確に理解ができるカリキュラムを提供できる。
(3)「解剖学実習や手術」の見学ならびに「症例検討会」への参加:(b)と同様に、医学部にしかない科目(例えば解剖学実習の見学や病院での手術の見学)などを、薬学部や保健医療学部の学生が見学できるようにする。また、附属病院で行われている「症例検討会」に薬学部学生も参加し、処方設計、副作用モニタリングの観点から症例を分析する。複数の学部学生が症例検討を行うことは、多角的に患者を診る目を養い、さらには異職種への信頼感を醸成することに繋がる。
(4)「卒業論文」の連携指導:高学年の学生に対しては、「卒業論文」の指導を連携して行う。これらの学部共同授業(座学)については広帯域キャンパス間ネットワークを介して高精細動画を双方向に伝送し、臨場感のある遠隔授業を行う。また授業教材等を開発し、社会人向けに適当な教材はオープンコースウェア化する。。

2.大学院共同授業ならびに社会人教育
(専門医師・専門薬剤師・専門看護師・専門臨床検査技師の養成)

 大学院教育の共通化を実践することにより、3大学の大学院教育の高度化を推進する。また、生涯学習の機会を共同して提供する。例えば、香川大学医学部ではがん専門医師の養成を始めており(中国・四国広域がんプロフェッショナル養成コンソーシアム)、希望者は受講できるようにする。また、薬剤師にもがんや感染症の専門薬剤師制度があるので、その制度に香川県の薬剤師が参加できるよう、大学院共同授業として該当授業を開講し、本事業で支援する。
香川県立保健医療大学では大学院の設置に向けて、健康増進科学論、健康生活支援方法論および食理学等の新たな科目をカリキュラムに組み入れて、この分野における高度専門職業人を育成しようとしている。これらの内容の中には健康増進に関わる内容はもちろんのこと、新しい試みとして健康食品や一般食品における食の安全・安心に対して消費者等に指導ができるリスクコミュニケーターの育成課程が導入されており、食品素材の効果、いわゆる健康食品等と医薬品との相互作用および健康食品等が臨床検査値に及ぼす影響について詳細に履修が可能なプログラムとしてある。これらの内容は今後、医師、薬剤師をはじめ医療従事者にとって要求性の高い情報であることから、3大学の連携による教育が期待される。 また、国民の看護職に対する期待は大きく、臨床現場からの専門看護師や認定看護師養成のニーズは高い。そこで、香川県看護協会と連携を取りつつ、香川県立保健医療大学と香川大学が中心となり香川県認定看護師研修センターを創設する。これら、専門看護師・認定看護師を地域の大学院で養成することは(社会人教育も含む)、看護師の質の向上に寄与できるだけでなく、地域医療を格段に発展させることが可能となる。

3.共同研究の活性化

 3大学間ですでに進行している研究を基にして、連携により新しい共同研究を開始する。例えば生活習慣病については、医療系と工学系が組んで簡易検査システムの開発を行ったり、医療系と農学系が組んで血糖値の上昇を緩やかにする食品の開発、ならびにそれらを利用した創薬や医療機器製作を製薬企業と共同で進めるなど、香川県の地元産業界も巻き込んだ形で、3大学の共同研究を積極的に推進する。また、食品の残留農薬問題、食品添加物あるいは原産地表示、アレルギー表示等に代表される食の安全・安心を担保可能な測定分析技術法の開発については、別途、香川大学農学部などとの共同研究を進める。先述した双方向高精細動画伝送によるe-learningのシステムは共同研究にも十分利用できるので、3大学間での研究打合せやデータのやり取りにもこれを利用する。

4.共同大学院の設置

 上記(3)の共同研究を基にして、3大学による共同大学院の設置を目指す。今後、教育内容や専任教員等について十分に検討し、今回の事業の延長として設置を推進する。我々はこの共同大学院において、3大学の医療系学部・学科のみならず、工学部や農学部などでライフサイエンスを勉強している学生も受け入れることを視野に入れている。したがって、この共同大学院のキーワードとしては、医療はもとより、健康・保健・食品などライフサイエンスの基礎研究に重きを置き、かつ地元産業との関連も重視しながら、地域の活性化に貢献できるような大学院に発展させて行きたい。この共同大学院の中で専門看護師教育課程の創設も検討する。

5.医療情報の共有化システムの構築(総合医療の具体的実践)

 住民の健康に関する情報を、複数の職種の医療人が共有することは、チーム医療の推進において重要であるが、十分に進んでいない。カルテ、検査結果や処方箋を書き込んだ「生涯健康カルテ(EHR)」が個々の患者ごとに作成されてサーバー中に保存され、アクセスキーとしてのIC/IDカードを患者自身が利用出来る時代が間もなく来る。そうなれば、患者と医療関係者が「生涯健康カルテ」を一緒に見て治療や健康増進に役立てることが可能となる。我々はこのシステムを、医療機関と薬局(調剤薬局)との連携の質的向上につなげるプロジェクトへと展開する。これにより電子処方箋化・電子カルテ化を一層推進し、香川県における医師と薬剤師ならびに看護師間の情報共有を強化して、香川県民にさらなる高度医療を提供できるシステムを構築し、地域貢献に寄与できる。

6.高大連携

 高大連携を実施し、地元高校生に対して香川県内で高度な総合医療が学べることをPRする。そして優秀な若い人材が県外へと流出することを防ぐ。またスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校と連携して、彼らに高度な科学教育を施し、将来有為な人材の確保に努める。将来的には、AO入試へと発展させることも考える。

7.その他

(1)人的交流:教員や事務職員の交流を企画し、教員のFDや職員のSDを共同して行う。また香川大学医学部附属病院薬剤部に所属する薬剤師を、徳島文理大学香川薬学部が非常勤教員として招へいし、教育ならびに研究のキャリアを積ませる。これは薬学部側の薬剤師教育としてのメリットも大きい。また、事務職員の交流を行うことにより、医療に関するそれぞれの領域での諸課題を理解し、かつ本事業を高度に推進できる人材の養成を図る。
(2)国際交流:各大学に在籍する留学生を中心とした国際交流活動を共同で企画する。
(3)ニュースレターの配布:本事業の事務局を設置して事務職員を雇用し、本事業の経理や庶務を行うとともに、ニュースレターの発行やホームページ等を通じて、高大連携から生涯学習まで最新情報の提供を行い、香川県民にPRする。
(4)図書館の共同利用:各大学の図書館を共同して利用できるようにする。
(5)研究機器の共同利用の活性化:各大学の所有する研究用機器を共同で利用することにより、研究者の研究の幅が広がる。
(6)自治体や関連職能団体との共同事業の推進:医師会や薬剤師会、看護協会、臨床検査技師会と協力して、現役の医療人に対してリカレント教育などを実施する。

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