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徳島文理大学香川薬学部の学生が香川大学医学部総合診療カンファレンスに参加

   平成22年12月6日から12月20日にかけて、徳島文理大学香川薬学部5年生15名が、香川大学医学部総合診療部(千田彰一教授)の症例カンファレンスに参加しました。6ヶ月間の病院・薬局実務実習を終了し、アドバンスト教育の臨床薬学コース実習として行われました。アドバンスト臨床薬学コースは、「臨床治療学」「臨床統計学」「治験業務学」の講義と「臨床実習」で構成しました。カンファレンス参加に先立ち、事前に、がん薬物療法やがん疼痛治療をテーマにしたSGD(スモールグループディスカション)を行い、さらにカンファレンス参加後のSGDで症例に関する知識を深めました。
   カンファレンスには医学科5年生も出席しており、薬物治療セミナーでは、分子標的薬セツキシマブの効果と遺伝子型変異、漢方薬大建中湯の下部消化管異常に対する効果、新規経皮吸収型がん疼痛治療薬フェンタニルについて解説が行われました。医師からは現在係わっている症例が紹介されました。結腸がん患者のオキサリプラチン治療薬に関連した末梢神経障害、食道がんの放射線化学療法中に発現した放射線肺臓炎について、消化管出血による貧血・低アルブミン血症など様々な症例について検討されました。

   参加した学生からは、次のような意見が寄せられました。
「医師のエビデンスに基づいた説明や質問に薬剤師にもこのような知識が必要であると痛感した。抗がん剤調製業務は、医師の処方意図を理解した上で行うことで調剤過誤の防止に役立つ。」
「QOL(quality-of-life)向上のための薬物治療では、処方意図を理解して服薬指導することでノンアドヒアランスの防止に繋がるアドバイスが可能になる。」
「手術適応とがん薬物療法の選択に迫れた場面で薬剤師としてどのように関われるのか、知識不足と将来的な不安を抱いたが、服薬指導を行う際にこのような患者背景を理解した上で患者さんに接することが患者中心の医療であることが理解できた。」

   薬学生と医学生が同席してカンファレンスに参加することで、チーム医療について考える機会になったと思います。医学専門用語や最新の薬物療法に関する知識不足などを痛感していましたが、今後の勉強の方向性を見出せたことと思います。

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