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1.社会的背景

我が国は急速に超高齢化社会が進行しており、年老いても健康であり続けるという観点から、予防医学が重要視され始めている。その一方で、障害者の増加と超高齢化に伴う病気の重度化・複雑化などの問題も顕在化してきている。「地域に密着したチーム医療を実践できる高度な医療人の養成」は、こうした社会的ニーズに応える「安心・安全・良質な医療」の提供を意味している。
これまでの「チーム医療」とは、多くの場合、1つの医療機関の中で働く医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師・臨床工学技士・栄養士などの専門職がそれぞれの専門知識を生かし、協働して(コメディカル)、患者治療にあたることであった。この取り組みは従来の縦割り医療に大きな変革をもたらし、すでに臨床現場で日常的な取り組みとして定着しつつある。「チーム医療」が成功している医療機関は、治療成績が向上するだけでなく、医療事故の公表、カルテの開示、診療内容の説明なども、患者の立場に立って行われる。また、「チーム医療」は、専門職ごとにそれぞれの領域で役割と責任を果たすことで成り立つ。人の命を預かる医療従事者は、お互いの独自性を率直に認め合いつつ、連携協力することが必要なため、学生のうちからコミュニケーション能力を高めておく必要があり、そうした取組を実施する。
すなわち、本申請で提案している「地域に密着したチーム医療」とは、チーム医療を実践できる医療人を育成するのみならず、併せて彼らに地域医療への関心を持たせることにより、卒後の地元定着を図るとともに地域における職種を越えた医療従事者の連携を学生の時から教育し、生涯を通して強化することである。香川県下で隣接する医療系学部を持つ国公私3大学が連携し核となって、地域の医療機関、各種団体、自治体などと連携して、疾病の予防や健康の維持・増進のための活動、在宅患者、高齢者、障害者等の介護支援、保健・生活指導などを行うことも、その活動範囲として考えている。これらの活動には、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士など多くの職種の積極的な参画が求められる。そして住民の健康に関する情報を、複数の職種の医療人が共有することが必須であり、病院・診療所に留まらず街の薬局や訪問看護ステーション、介護施設も含めた地域の医療関係者全体で、「地域に密着したチーム医療」が展開できるシステムを構築することが望まれる。
さて、香川県の現状に目を向けると、全人口に占める高齢者の割合は増加が続き平成19年10月時点で24.4%と過去最高であるとともに、出生率も毎年低下を続け年少人口は13.7%となり過去最低となり、「少子高齢化」が一層進みつつある。さらに香川県は島嶼部をかかえており、「へき地医療」の問題については以前より重要視されてきた。香川県と香川大学医学部では全国に先駆けて、かがわ遠隔医療ネットワーク(略称:K-MIX)を構築し、県及び関係医療機関との連携による全国でも先駆的なモデルとみなされている。
 しかしながら、現時点ではこの医療ネットワークに薬局等は参加していない。したがって、今後は、広く病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション、介護施設等が参加することと、電子化された医療情報を活用して専門性を最大限に発揮する医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士等の養成、研修が課題となっている。本事業によりこの課題解決の方策を推進することができる。
ところで香川県の高校生のうち、優秀な人材の多くが本州の大学に進学してしまい、頭脳流出が顕著であることは重要な問題となっている。高校生に対しては、香川県内でも分野の枠を超えて医療を総合的に学習するチャンスがあることをPRできれば、頭脳流出の抑制につながると考えている。

2.目的

 上述の社会的なニーズに応えるために、医療系学部を有する香川県内の3つの大学(徳島文理大学・香川大学・香川県立保健医療大学)が連携し、地域に密着したチーム医療を実践できる高度な総合医療人を早期から養成する(人を育てる)ことを念頭においた総合医療教育研究システムを構築することが(高い費用対効果)、今回の連携事業の目的である。我々はこのシステムを「香川総合医療教育研究コンソーシアム」と呼んでいる。この連携事業の成果によって、香川県内の地域に密着したチーム医療のできる医療環境の強化(地域貢献)が期待される。

3.連携取組の項目

 具体的な連携取組は次のとおりである。
(1).学部(学士課程)共同授業(総合医療をマスターするための登竜門)
(2).大学院共同授業ならびに社会人教育(専門医師・専門薬剤師・専門看護師・専門臨床検査技師の養成)
(3).共同研究の活性化
(4).共同大学院の設置
(5).医療情報の共有化システムの構築(総合医療の具体的実践)
(6).高大連携
(7).その他

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